2021年から年に一回、足立区内の児童養護施設で暮らす子どもたちと「安心堂こどもカンパニー」というワークショップを開催しています。
企画・製造・販売を実際に行い、実践を通して「働くってなんだろう?」を学ぶプログラムです。
安心堂こどもCOMPANYの目的は3つあります。
①子どもたちが施設を退所し自立するときの支度金に貢献する
施設で暮らす子どもたちは18歳になると施設を退所しなければなりません。
大学に通うにも、就職するにも、自立し自分の力で生活をすることになります。
その時の準備資金や生活費に少しでも貢献することはできないかと考えました。
しかし経営者として、まずは社員たちを守ることが第一です。。
潤沢な利益を上げているわけではない安心堂は、会社で利益が出たら社員に還元したい。
だったら子どもたちと一緒に、別の売上を上げればいいと考えました。
最終日は10月29日(土)に開催されるキッズスマイルフェスタ2023で製作したグッズを販売することが決まっています。
ブースには子どもたちが自ら立って販売します。
そのフェスタの売上から経費等を引いた利益を、子どもたちに寄付します。
②自己概念が上がるよう貢献する
安心堂こどもCOMPANYは企画も製造も販売も全て子どもたちと行います。
自分たちで考え、作り、販売する。
この経験を通して自分たちはなんでもできるんだということを感じて欲しいと願っています。
人生は自分の選択でいくらでも変えることができる。
こどもたちには生きる強さを身に着けて欲しい。
何があったとしても生きることを選択して欲しい、そう願っています。
③お守りのような思い出をつくる
私が13歳の頃、母が闘病の末亡くなりました。
学校生活でも疎外感を感じることが多々ある中で、同級生のお母さんが手を差し伸べてくれたことがありました。。
苦しく辛い毎日ではありましたが何とか乗り越えることができ、その時の出来事は大人になるにつれて大切な思い出となり、今でも人生の支えとなってくれています。
安心堂こどもCOMPANYというプログラムの中で、誰だか名前も忘れてしまったとしても真剣に向き合ってくれた大人がいたということ、そしてみんなで達成感を味わい喜びあったこと、それが子どもたちの心の片隅にあればいいな、ふとした時にお守りのような記憶となってくれたらいいな、そんな風に思っています。
9月2日の第一回目は、入社式でした。
入社式と言いながら、その前に面接があります。
面接に合格しないと入社できません。
まずは会社説明そして、そのあと履歴書を書いてもらい、みんなの前で発表してもらいます。
施設のスタッフさん(大人)にも容赦しません。
同じように履歴書を書いてもらって発表してもらいました。
日頃子どもたちともに過ごす時間の多いスタッフのみなさん。
個人的なお話をすることはあまりないらしく、子どもたちは興味深々でした。
発表の途中でいろんな質問(つっこみ?)が飛び出しました。
今回の参加者はほぼ中学生ですが、みんな恥ずかしがることも嫌がることもなく、堂々と発表していました。
見事みんな面接に合格し安心堂へ入社が決定。
IDカードと名付けた名札が配られました。
そのあとは次回の企画会議に向けて「ものづくりにとって大切なこと」についてを話しました。
誰のために、何のために、なぜそれを作るのか?
学校の友達や先生、施設のルームメイトやスタッフさん、周りにいる人をよく観察して、この人と決めたたった一人のためにものづくりをする。
それが大事なんだよと、そんな話をしました。
企画書を書くのは持ち帰りの課題。
次回の企画会議では、それぞれプレゼンしてもらいます。
どんな企画が飛び出すのかとっても楽しみ!
全力でみんなで取り組みますので、ぜひ応援してください!
そして10月29日は浮間公園で開催される「キッズスマイルフェスタ」に足をお運び頂けたら嬉しいです。
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