「私たちはの仕事は誰かにとっての宝物になるかもしれないものを作っているんだよ。
だからこそ、ひとつひとつ丁寧に、そして誇りを持って仕事に取り組もう。」
そう、社員たちに声をかけています。
振り返ると、実際にそういうお仕事がたくさんありました。
そのことに改めて気が付いたのはコロナウイルスの感染が拡大した2020年のこと。
印刷の受注が一切なくなり、安心堂の価値とはなんだろう・・・を考えたのがきっかけでした。
そして昨日。
間違いなく誰かの宝物になるであろう、ボールへの印刷をさせてもらいました。
「困っているんです!」と、藁をもすがるような声で電話が来たのが水曜日でした。
新規のお客様です。
明日ボールを安心堂へ運びこむので、金曜日の発送で印刷をお願いできないでしょうか?とのこと。
いろいろ探してやっと安心堂に辿り着いたと言う。
あまりにも短納期で驚きを隠せませんでしたが、うちが断ったら他を探すのは至難の業だろうとお引き受けすることにしました。
なんでもかんでも出来る訳ではないけれど、今回は短納期でできる条件が揃っていました。
PVC(ポリ塩化ビニル)のボールであったこと。
実績があるし、PVCはインキの定着がいいので素材に問題がなかったこと。
そして受治具があったこと。
パッド印刷でボールに印刷をするのには受治具が必要になりますが、たまたま近しい大きさの、ボールの治具がありました。
補正すれば何とか使えると判断し、早々に準備を進めました。
しかし送られてきた印刷のデータがかなり細かなデザイン。
製版用のフィルムを専門会社に依頼しなければならないという難題に突き当たりました。
それが無理だったらこのお仕事は難しい・・・。
いつもお世話になっている工業写真屋さんに「なんとか明日の朝一まで!」と電話をかけると「大丈夫!!」と心強いお言葉頂きました。
本当に本当にありがたい・・・。
そんな条件が全て揃って、なんとかお引き受けすることができました。
ところが。
実はお引き受けした後、思いも寄らないトラブルがありました。
でも「安心堂ならできる」と信じていたので、焦ることなく冷静に淡々と対応して解決しました。
全てはお客様の笑顔のため。
従業員たちも残業覚悟で「こんなことある?」と笑いながら笑顔で取り組んでくれて、とても心強かったです。
そしてとても誇らしかった。
残念ながら印刷した箇所はお見せ出来ませんが、紅白にも出場したことのあるロックバンドのライブで使用されるそうです。
きっとステージから投げるのではないでしょうか。
歓声の中、空を飛び交うボールと、歓喜するファン。
そんな光景を勝手に妄想してワクワクしております。
このボールひとつに熱狂するファンの人たちがいる。
そして手に入れた人たちはきっと、生涯の宝物として大切にしてくれる。
そんなお仕事ができてよかったです。
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