去る5月15日。
宮城県仙台市立八軒中学校の生徒さんが安心堂にやってきました。
修学旅行の旅程の中に「プロフェッショナル訪問」という学習のプログラムがあります。
実際に企業に足を運び、様々な業種を体感し、経営者それぞれの働くことの意味や大切さなどを聞き、
働くことを知るというプログラムです。
安心堂には毎年、宮城県や静岡県から、修学旅行の生徒たちがやってきます。
今年は男子生徒4人でした。
私は、十数年前に離婚したのをきっかけに、安心堂の創業者である父から「会社を継がないか?」と声をかけてもらい、2014年に入社しました。
子どもの頃から印刷の仕事を手伝うことはあったけど、本格的に仕事ととして向き合うのは初めて。
印刷が大好きだったわけでも、社長になりたかった訳でもなかった。
小学生と中学生の娘たちを育てるのに、生涯働ける仕事をしなければならないという、背に腹は代えられないという思いで入社しました。
そんな私が2020年、まさにコロナウイルスが猛威を奮う中、事業を承継しました。
コロナの影響で仕事は激減し瀕死な状態が続いている会社を、なんとか守り通してこれたのは、本気で仕事と向き合ってきたからだと思います。
手も汚れるし、臭いもつくし、地道な作業の繰り返しで、決してキラキラした仕事ではないけれど。
お客様の喜ぶ顔を想像し、試行錯誤を繰り返し、難しい印刷にもチャレンジしてきた結果、印刷という仕事が大好きになりました。
印刷はものに価値を与えることのできる素晴らしい仕事です。
誰かの生涯の宝物になるかもしれないLIVEグッズだったり、誰かの命を救うかもしれない製薬会社の工場でつかうコンテナだったり、
人生をかえるきっかけとなるかもしれない音楽イベントのノベルティーだったり。
印刷は生きるために絶対に必要な仕事ではないかもしれないけど、誰かの人生をより良くより豊かにすることができる、大切な仕事だと思っています。
働くことの問いに対して答えた私の回答は、
「どんな仕事でも、真剣に本気で取り組むことが何よりも大切だよ。
本気で取り組まなければ、仕事の本当の楽しさも、本当の苦しさも、本当の喜びも分からない。
本気じゃないと人生勿体ないよね。どうせ何かしら働いていくのだから真剣に取り組んでみて。
きっとその仕事が楽しくなるよ。」
そう話しました。
そして最後に、今の中学生に向けて、これからの人生に向けてメッセージをくださいと言われ、
「いま目の前にあることが人生の全てじゃない、と言うことを知っていて欲しい。」と伝えました。
私は13歳の頃に、母を病気で亡くしました。
同時期に学校でいじめに遭い、本当に辛く苦しい日々を過ごしていました。
自ら命を絶ってしまいたい、そう思ったことも何度もありました。
でも、勇気がなくて死ぬことはできなかった。
そんな私が人生を振り返り、あの頃の自分に何か伝えることができるとしたら
「生きていてくれてありがとう。」と伝えたい。
だから何があっても、生きる道を選んで欲しい。
今目の前にあることが、人生の全てではないことを知っていて欲しい。
子どもたちの未来を心から応援しています。
経営者の人に色紙に言葉を書いてもらい「プロフェッショナル訪問」は終了です。
私が書いたのは、今の私が大切にしている言葉。
『諦めない人生に終わりはない』
アチーブメント株式会社の青木社長の言葉です。
私自身に向けた言葉でもあります。
これからも、成長し続け、子どもたちに堂々と背中を見せられるような生き方をしていきたいと思います。
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