真夜中に目が覚めて、ふと携帯を見るとお客様からのメールが。
送信時間は0時59分。
なんだろ?トラブル?
すぐに開いて見ました。
全然違かった。
暗闇の中、涙が出そうになりました。
一年前に、大きな会社から折りたたみコンテナへの印刷試作の依頼がありました。
機械が読み取るためのマークを印刷したいとのこと。
なかなか大変な作業だけど、これならシルクスクリーン印刷で出来るなとお受けしました。
試作は思いの外、簡単にできました。
しかし実際に使うのはその折りコンではなく、別の折りコンを使用することになったらしく、シルクスクリーン印刷ではできない箇所への印刷が必要になりました。
折りコンのような大きなものへパッド印刷で行うのはなかなかハードな作業になる。
しかもかなり凹んでる場所への印刷だから、パッドの選定から始めなければならない。
できるかどうかやってみるしかない。
重いし、難しいし、上手くいかないし、心のどこかでちょっと「断りたい…」という気持ちが芽生えなかったと言えば嘘になる。
でも、なんとかカタチになるまで試行錯誤しながら繰り返しテストしました。
なんのためにマークを入れるのかというと、大手製薬メーカーの大きな工場で、資材供給のための製品ラインを自動化するためだと言う。
運用テストは成功したようで、次は100個の注文がきました。
しばらくして、本格的にラインに乗せることが決まったと1300個の注文が入った。
「え、1300個ですか⁈」
思わず聞き返しました。
さすがに安心堂に入らない。
倉庫を借りたとしても、どうやって運ぶ?
分納できないか交渉しました。
なんとか分納はOK。
8月から11月まで毎週100個ずつ、折りコンが安心堂に運ばれてくるようになりました。
最初は本当に大変だった。
開梱、印刷、梱包、発送。
重いし、難しいし、時間かかるし…。
女性しかいないのに体力勝負。
それに合わせて別の量産の仕事も受けてしまったから本当に毎日バッタバタ。
想定外のことばかり起きて、途方に暮れたこともありました。
安心堂のみんなは本当によく頑張ってくれている。
本当にありがたい思いでいっぱいでした。
そのお客様から、夜中にメールが届いていたからドキドキしました。
読んでみると、なんとお礼のメールでした。
薬品メーカーの社長さんが工場視察に来て、大変喜んでいたとのこと。
感謝とねぎらいの言葉を頂いたそうで、薬品メーカーの担当者からのメールが転載されていました。
***以下一部抜粋***
ここまで到達するまで、御社はじめ設備メーカー様には色々と無理な依頼や短納期での対応など、本当に多くのご協力頂きました。
手探りの中でのチャレンジ案件と言う事で、弊社の至らない点も多々ございましたが
ご協力頂き、ありがとう御座いました。
関連業者様にもメッセージを共有頂けると助かります。
心より感謝申し上げます。
************
本当に嬉しかった。
今朝の朝礼で、安心堂のみんなに読んで聞かせました。
読み上げながら、涙が出そうになった。
「私たちの仕事は、誰かの宝物になる仕事かもしれないよっていつも言ってるけど。
私たちの仕事は、誰かの命を救う仕事にもなってるのかもしれないね。」
そう伝えて、改めてみんなの毎日の努力に、心から感謝しました。
一つ一つの仕事に全力で向き合うこと。
自分たちの仕事のその先に、どんな笑顔が待っているのかを想像すること。
これからも、ひとつひとつを大切に、頑張っていこうと思います。
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